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屋根の防水工事が必要なのはどのような屋根か
住宅の屋根は、その形状によって適した防水工事の方法が異なります。以下に、代表的な屋根の形状とそれぞれに適した防水工事の方法を紹介します。屋根の防水が必要な屋根は、傾斜のない陸屋根(ろくやね)や屋上などです。陸屋根は平らな屋根のため、傾斜のある屋根と比べて雨水が長くとどまり、雨漏りの危険性が高くなります。屋上はビルなどの屋根の上で人が出られるようにしてある平らな場所です。屋上のある建物では、しっかり防水しておくことで建物の劣化を防ぐことができます。
主な屋根の形状と防水工事種類

1.平屋根・陸屋根(フラットルーフ)
平らな屋根は水がたまりやすいため、防水性能が非常に重要です。
ウレタン防水
特徴: 液体状のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成します。
メリット: シームレスで複雑な形状にも対応できる。柔軟性があり、施工後も割れにくいです。施工が比較的簡単で、工期が短く、防水層が一体化するため、継ぎ目がなく、漏水のリスクが低いなどがあります。
デメリット: 紫外線に弱いため、定期的なトップコートのメンテナンスが必要になります。他の防水工事に比べて耐用年数がやや短い(約10~15年)です。
シート防水(塩ビシート、ゴムシートなど)
特徴: 防水シートを接着剤や熱で貼り付て防水層を作ります。塩ビシートやEPDMゴムシートなどの素材が使われます。
メリット: 耐久性が高く、均質な防水層を作ることができ、工期が短いです耐久性が高く、耐用年数が長い(約15~20年)です。
均一な厚さの防水層を作るため、施工品質が安定しています。
デメリット: 施工には高い技術が必要になり、シートの継ぎ目が多くなるのがデメリットです。
アスファルト防水
特徴: アスファルトを加熱して液状にし塗布するか、アスファルトシート状にして貼り付けて防水層を形成します。トーチ工法やホットアスファルト工法が一般的です。
メリット: 耐久性が高く、大規模な屋根に適しており、重層構造で防水効果が高いです。
デメリット: 施工時に臭いが発生し、工期が長くなることがあり、施工費用が高くなる傾向にあります。
FRP防水
特徴:ガラス繊維を含むポリエステル樹脂を用いた防水工法で、硬化後に非常に強固な防水層が形成されます。継ぎ目がなくシームレスな防水材です。
メリット:高い強度と耐久性(約10~25年)で複雑な形状にも対応可能です。
デメリット:施工費用が高いです。紫外線に弱く、トップコートの定期的なメンテナンスが必要になります。
2.勾配屋根(寄棟屋根・切妻屋根、スロープルーフ)
傾斜のある屋根は、水が流れやすく防水の要求が異なります。
アスファルトシングル
特徴: アスファルトを含浸させたシングル材を貼り付けます。
メリット: 軽量で施工が簡単。耐久性が高く、様々な気候に対応でき、色やデザインのバリエーションが豊富です。
デメリット: 色あせや苔の発生があるため、定期的なメンテナンスが必要です。
金属屋根(ガルバリウム鋼板、トタンなど)
特徴: 金属製の屋根材を使用します。防水シートやアスファルトフェルトと併用することが多く断熱性を向上します。
メリット: 耐久性が高く、軽量。デザイン性が高いです。
デメリット: 断熱性が低く、断熱材の併用が必要。錆びやすいので定期的なメンテナンスが必要です。
スレート屋根(コロニアル、カラーベスト)
特徴: スレート材を使用し、下地に防水シートを敷きます。
メリット: デザイン性が高く、価格が比較的安価。軽量で建物への負担が少ない。
デメリット: 割れやすいため、定期的な点検と補修が必要。
瓦屋根(粘土瓦、セメント瓦)
特徴: 瓦を葺く方法で、下地に防水シートを敷きます。
メリット: 耐久性が非常に高く、見た目が美しい。防火性能も高いです。
デメリット: 重量があるため、構造計算が必要になります。割れやすく、定期的な点検が必須です。
3.折板屋根
主に工場や倉庫などで使用される金属製の波板形状の屋根です。
シーリング(コーキング)
特徴: 折板屋根の継ぎ目やボルト部分にシーリング材を充填して防水性能を高めます。
メリット: 簡単かつ迅速に施工でき、コストが比較的低く部分的な補修が可能です。
デメリット: 長期間の耐久性が低く定期的なメンテナンスが必要となり、劣化しやすいです。
ウレタン防水
特徴: ウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する工法。柔軟性があり、折板屋根の形状に適しています。
メリット: 柔軟性が高く、複雑な形状にも対応継ぎ目がなく一体的な防水層を形成します。耐久性が比較的高いです。
デメリット: 紫外線に弱く、トップコートの定期的な再塗布が必要となり、初期コストがやや高い傾向にあり、施工に時間がかかる場合があります。
FRP防水
特徴: 繊維強化プラスチック(FRP)を使用して防水層を形成する工法。強度が高く、耐久性に優れています。
メリット: 高い耐久性と強度耐薬品性があり、過酷な環境にも耐え、メンテナンスが少なくて済みます。
デメリット: 初期コストが高く施工に専門技術が必要となり、柔軟性が低く変形に弱いです。
シート防水
特徴: ゴムシートや塩ビシートを敷設して防水層を形成する工法。施工が比較的簡単で、耐候性に優れています。
メリット: 高い防水性能、比較的簡単な施で工コストパフォーマンスが良いです。
デメリット: 経年劣化しやすく強風などで損傷を受ける可能性があり、美観を損ねる場合があります。
雨漏り対策と防水工事
防水層の劣化や損傷を早期に発見するために、定期的な点検が重要です。ひび割れや剥がれが見られた場合は、すぐに補修を行います。
1.平屋根・陸屋根(フラットルーフ)
排水口の清掃
平屋根・陸屋根は水が溜まりやすいため、排水口が詰まらないように定期的に清掃します。葉っぱやゴミが溜まると排水不良になり、雨漏りの原因となります。
勾配の確保
平屋根・陸屋根でも微妙な勾配を設けて水が排水口に流れやすくすることが重要です。勾配がないと水が溜まりやすくなり、防水層に負担がかかります
防水層の再塗装・再施工
防水層の耐用年数が近づいたら、再塗装や再施工を検討します。トップコートの定期的な塗り替えも重要です。
シーリングの補修
屋根の継ぎ目や接合部のシーリングが劣化している場合は、早めに補修します。
2.勾配屋根(寄棟屋根・切妻屋根、スロープルーフ)
定期的な点検とメンテナンス
屋根の状態を定期的に点検し、劣化や損傷を早期に発見することが重要です。特に、隅や谷部、煙突や天窓の周辺など、雨漏りが発生しやすい部分は重点的に確認します。
シーリングの補修
屋根材の接合部や周囲のシーリング材が劣化している場合は、早めに補修します。シーリング材の劣化は雨漏りの原因となるため、定期的な補修が必要です。
排水経路の確保
雨樋や排水口が詰まらないように、定期的に清掃を行います。葉っぱやゴミが溜まると排水不良になり、雨漏りの原因となります。
屋根材の定期的な補修
割れや欠けが見られる屋根材は早めに補修または交換します。屋根材の破損は雨水の浸入を招くため、定期的な点検と補修が重要です。
防水シートの交換
防水シートの耐用年数が近づいた場合は、早めに交換を検討します。防水シートの劣化は雨漏りのリスクを高めるため、定期的な点検と交換が必要です
適切な勾配の維持
屋根の勾配が適切でないと、水がたまりやすくなり、雨漏りのリスクが高まります。勾配の適切な維持が難しい場合は、専門業者に相談して改善策を講じます。
3.折板屋根
定期的な点検とメンテナンス
定期的に屋根の状態をチェックし、シーリングの劣化や屋根材の損傷を早期に発見します。年に1回、専門業者による点検を受けましょう。
シーリングの補修
継ぎ目やボルト部分のシーリング材が劣化している場合は、早急に補修します。古いシーリング材を撤去し、新しいシーリング材を充填します。
防水層の再施工
防水層が劣化している場合は、ウレタン防水やFRP防水などで防水層を再施工します。防水層の劣化が進んでいる場合は、全面的な再施工が必要です。
ボルトキャップの設置
折板屋根のボルト部分に防水キャップを装着して、水の侵入を防ぎます。特にボルトのサビが進行している場合は、ボルトキャップの設置が効果的です。
排水経路の確保
屋根の排水経路を確保し、詰まりを防ぎます。ゴミや落ち葉が排水溝に溜まると、雨漏りの原因になります。定期的に排水溝や樋の清掃を行います。
まとめ
防水工事と雨漏り対策は、適切な防水工法の選択と定期的なメンテナンスが鍵となります。
各防水工法の特徴やメリット・デメリットを理解し、信頼できる専門業者に依頼して適切な施工を行うことが重要です。定期的な点検とメンテナンスを怠らず、早期に問題を発見して対処することで、雨漏りのリスクを大幅に減らすことができます。




